いのちについて

instagramやFacebookを見てくださっている方は知っているかもしれませんが今年の4月からニホンミツバチと共に暮らしています。

友人が養蜂家の方からお借りした巣箱のうちの2つを、蜂の多い我が家の庭に置いてみよう!というほんとうに気軽なきもちではじまったミツバチたちとの日々。

知識もないままではじめましたが、半年が過ぎ、色々な出来事を体験させてもらっています。

その中で、9月ころからはじまった、オオスズメバチとキイロスズメバチとの出来事は、私にとって大きな大きな出来事です。

かれらはこの時期、子育てのためにミツバチたちを拉致して巣に持ち帰るそうです。

見ていると自分でも食べているような気もします...

とにかく毎日たくさんのスズメバチがミツバチを襲いにやってきます。

我が家の巣箱は家の中庭と裏の軒下の計2つあるのですが、中庭にいる「なかにわファミリー」たちが特に襲われやすく、日々わたしも彼らとともに奮闘しています。

対策として9mmのネットをかけ、巣箱に入らせないようにしているのですが、オオスズメバチは防げても、キイロスズメバチは賢いのか、数日でネットをくぐり抜けるようになってしまいました。

オオスズメバチは最悪の場合、目星を付けた巣を集団で襲い、巣ごと全滅させることがあるそうですが、キイロスズメバチは一匹ずつ拉致して持ち帰るのでその心配はないとのこと。

そうは言っても、常に4.5匹のキイロスズメバチが狙っている状態で、巣箱の中にも入っていくしということで、キイロスズメバチを殺すことも増えてきました。

ネズミ取りや誘引剤(ジュースとお酒とお酢を混ぜてペットボトルに入れてつるしたもの)にも沢山のスズメバチが毎日かかります。

何度も殺していると、だんだん慣れてきている自分にはたと気付き怖くなったり、虫が好きなはずの私はこんなにも沢山の虫たちのいのちを奪っているんだと、心がぎゅーっと苦しくなります。

そんな日々の中でほんとうの意味で実感したこと。

それは私たちはとてつもなく沢山のいのちを奪って日々生きているということです。

食肉で利用されている動物たちはもちろんのこと、お米や野菜を作るうえでも膨大な数のいきものを殺して作られていること。

はちみつもきっとそう。たった2つの巣箱でもこれだけのいのちを奪わなくてはいけないんだもの。

無農薬で野菜を育てている友人が、「ひとつひとつ手で潰すんだよ。決して気持ちのよいことではないけれど、野菜をとるか虫に食べられるかなんだよ」と言っていて、その言葉もミツバチのことがあって初めてちゃんとわかった気がしました。

農薬を使えば、殺さなくて良い虫も殺すことになります。スーパーに普通に並んでいる野菜たちのほとんどはそうやって作られているのだと思います。

無農薬のお米栽培で除草のために飼われる鴨は、1年たつと大きくなって稲を食べてしまうので、毎年殺して食べるそうです。環境によい、素敵、かわいい、、なんてきれいごとではないのだなぁとこれもまた最近学んだことでした。

食肉のこと、農薬のこと、もちろんきちんと向き合っていかなくちゃいけないなと思ったと同時に、私のいのちは、私だけのものじゃないんだと実感しました。

私が食べるため、生きるために殺されていった沢山のいのちで私はできている。

だから死ぬまで大切に、大切にしなくちゃいけないんだと。

いきていくことって、すごいことなんだって、身をもって日々実感している私です。

初めのうちは、かわいいミツバチたちが元気でいてくれれば蜂蜜採れなくてもいいや〜なんて思っていましたが、死んでいったかれらに無駄死にさせたのでは申し訳ないと思い直し、絶対はちみつ採るぞ〜〜!と決意をあらたにしたのでした。


まさかこんなに学ぶ日々になるとは思いもしなかったです。

きっかけをくれた友人やミツバチたち、スズメバチたちありがとう。

今日も2匹、石でごつんとしたキイロスズメバチ、誘引剤にかかってしまったキイロスズメバチとハエと蛾...ほんとうにごめんね。ありがとう。

今朝は霜が降り、いよいよ冬の気配が色濃くなってきました。

この奮闘の日々もあとすこしです。

「のきしたファミリー」

はじめは小さな群れだったのが、だんだん大きくなり、そして今このファミリーはほんとうにたくましいのです。スズメバチを威嚇してほとんど寄せつけない。

こちらはキイロスズメバチを熱で殺しているところ...

いきものってほんとうにすごいです。